2021年5月8日土曜日

一言メモ: コロナ・ワクチン接種の現状とマスコミの不誠実

 COVID19のワクチン接種が、いま最も旬な話題でどのTV局の「情報番組」でも、まずはこれを語るようになっている。

それほど関心の的になっているなら、TV局もきちんと取材をして、あるいはコメンテーターも研究をして、的を射た放送をすればいいのに、こんな報道をロイターがしている。5月7日の配信だ:

Unused COVID-19 vaccines in Japan are set to reach tens of millions of doses, as the country is poised to approve two more shots in coming weeks and the pace of its inoculation campaign remains slow due to manpower and logistical bottlenecks.

Japan imported 28 million doses of Pfizer Inc's (PFE.N) COVID-19 vaccine through late April, but has so far used only 15% of the stockpile, with the remaining 24 million doses sitting in freezers.

URL: https://www.reuters.com/world/asia-pacific/unused-covid-shots-piling-up-japan-amid-slow-rollout-2021-05-07/

Source: Reuter, May 7, 2021 5:34 PM JST

これを日本の毎日新聞が記事にしており、こんな文章で紹介している:

ロイター通信は7日、日本国内に到着した新型コロナウイルスワクチンは2800万回分に達したが、接種が完了したのは15%程度の400万回超で、約2400万回分が「(接種を担当する)人手や手配上のボトルネック」によって使われないまま残っており、接種ペースは「遅いままだ」などと批判的に報じた。

出所:毎日新聞、5月7日20時59分配信 

*

日本国内では「いまはまだワクチンの到着数量に限りがあります。数量が確保されるまでは、もう少し待ってください」と。ワクチン不足が原因で接種が進まないと理解している人が大半ではないだろうか。

上のロイター報道は、既に数は足りているが、マンパワーや接種体制に難があって、接種が進まないという事実を指摘している。

ロイターの報道は(100パーセント正確ではないとしても)概ね正しいとしよう。

そうすると、

本当の現状と最近のテレビ局による説明とは、その主旨において、大きな矛盾がある。

海外の通信社がこんな重要な事実を報道したわけだ。

もし上の指摘が本当なら、その理由は

  1. ワクチン接種有資格者の非協力
  2. ワクチン接種有資格者の範囲拡大への反対
  3. その他ロジスティック分野の非協力

このいずれか、あるいは全ての事情があり、その調整に手間取っているという理屈になる。

なぜ日本国内のマスコミの説明振りと差があるのか?日本のマスコミがこれを推測できなかったはずはない。推測できるのに確認せず、取材もしていないのは、政府の公式説明を丸ごと信じているためである。

毎日新聞は早速報道しているからまだ良心的である。

いかに日本国内のテレビ局が国民に対して不誠実であるかが分かる。その証であると小生には思われる。

担当大臣に出演してもらう代償に、民間TV局がとっている《聞かない、触れない、話さない》の3ナイ原則は、そろそろ多くの人が気付き始めている。

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