2021年5月20日木曜日

一言メモ: 遅いのは政府もマスコミも同じだ

今日あたり、TVの「情報番組」でも、コロナ・ワクチン接種が進まない原因は、ワクチン不足ではない、むしろワクチンの打ち手が不足しているからだ、と。

実は、問題の所在が「ワクチン不足」ではなく、「打ち手不足」にあるという点は、5月初めにイギリスの通信社ロイターが報道していたわけである ― 本ブログにもメモっておいた。

外国の報道機関が日本のワクチン事情の問題点を指摘してから、日本のテレビ局がそれを問題として話題にするまでに、2週間の遅れがある。

そもそもワクチン調達担当の河野大臣が数量的にはワクチンは十分確保されたと宣言したのは4月上中旬のことであったかと記憶している。

数量が確保されたのなら、ワクチンが日本に到着した後、順調に接種が進むのかを調べて、報道しなければならないはずであった。ところが、4月の中下旬で報道されていた基調は、河野大臣は数量確保を「主張」しているが、本当に日本に入るのかを疑い、もし予定通り到着しなかったらと、レバ・タラ論議を繰り返す論調ばかりであった。そして、そのレバもタラも、仮定するには意義のない、生産性の低い「もしも」であったわけだ。

心配そのものに問題はない。当然、心配するべきである。しかし、政府の責任者が「数量は大丈夫だ」と断言していたのであるから、少なくとも日本国内の報道機関は「入った後は打てるのか」を心配するべきであった。あれもこれも心配するのは頭が悪い証拠であろう。

ワクチンが政府の主張のとおり、実際に日本に入っているかどうかは、調べればすぐに分かったはずだ。

ところが、日本の報道機関はこれを調べず、イギリスの通信社が調べて、本当の問題の所在を5月7日にまず英語で報道し、それを日本の新聞社の一部が日本語に訳して報道し、いま民間TV局が「ワクチンの打ち手不足」を話題にして、日本国内で盛り上がっている。

これを『日本にはインテリジェンスがない』と言う。やはり通弊は、国民性なのか、変わらないようだ。

遅いのは、日本政府だけではない。日本の報道機関も遅いのだ。世界市場で競争をしている民間企業は大小を問わず、国際競争力の強弱はあるが、こんなことはない。あるにしても希薄であり、そもそも生存は市場規律の下にある。だから危機感がある。

閉鎖的な日本語空間に保護され、安心している部門で《能力劣化》が進んでいる。

そして、その守られている主体たちが、大切な日本語空間を毀損しているという点は昨稿に書いている。

もう末期的でござんすネエ、日本の文化は乱世といってもよござんす

結論的には、ここに着目するべきではないかと思う。



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