2012年12月17日月曜日

最初の印象 ― 自民大勝・民主壊滅劇

事前に予想されてはいたが、やはり自民党が衆議院選挙で大勝し、民主党は惨敗した。100議席を割るという予想から、いやいや70台にとどまるという声が出て、まさかと言われていた。それが50台であるから、ただ茫然、為す所を知らずというのが事実であろう。

ただ2009年政権交代劇は、<ロマンティックな夢想家+反権力活動家OB+やり手の選挙屋>という、ドストエフスキーの『悪霊』にでも出てきそうな、まあ想像を絶する元素の化合物から生まれ、乙女のごとくウブな専門家達も毒素にやられてしまったことを思うと、今回は日本人の多数が魔術から醒めたという側面もあったのかもしれない。それにつけても、この三年間は何であったのだろう?将来の歴史家は<わる酔い政局>とでも総括するのではなかろうか。小生はそう予想しているところだ。

いずれにせよ、その立役者の一人は失政を非難されて、追い詰められ政界引退。他の一人は ― 追放ではなく離党ではあったけれど ― 古代ギリシャにも似た陶片追放の憂き目にあい、残る一人は選挙運動中に負傷するほど奮闘もしたのだが小選挙区で武運拙く敗北、朝刊締め切り時点では比例当選も定かならず。首謀者三人、それぞれ三人三様の有様にて、それにつけても悔しきは、敗軍の哀しさヨと、そんな風な結末なのだが、当選した民主党の構成員は、まだしも真っ当な人材に純化された。そう言えなくもないだろう。むしろ得体の知れない新人を多数抱えこんだ自民党の方が<時限爆弾>をわが身の中に抱え込んだようなもので、危ういこと限りなし。

それにしても日本未来の党の嘉田代表がTVで「今度は参議院選挙だなって、小沢先生はおっしゃっていました」と発言していたし、自民党幹事長は来夏の参議院選挙を意識して石破氏留任となったらしい。

昨日の衆議院選挙の開票がまだ終わってもいないうちから、来夏の参議院選挙を意識して、そこから逆算して今の政略を練る。ゲーム論的には当たり前のロジックなのだが、「何のために政治家になっているのかねえ・・・」と、小生は言いたくなりますね。世界の普通の感覚から見ると「ホント、日本の政治家というのは、落ちつかない連中だねえ。日本人ていうのは、あんな風にしておきたいのか?」。そんな風に言われるのではありますまいか。

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