2020年3月26日木曜日

一言メモ: マネジメントとクリエーションは必要な才能が異なる

「例によって」と言うべきか、小池百合子都知事が唐突に法的根拠もなく「ロックダウン」を口にしたあと、昨日は外出自粛要請を表明した。

都内の小売店では狼狽的な買い占めが横行し、生活必需品は既に棚から消失しているよし。

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数日前の投稿をまた書いておこうか:

社会不安が高まる際には不安を鎮静化する方策を実行し適切なソーシャル・マネジメントを行うのが行政官たる首長の職務である。

これとは反対に、日常化した状況の中に解決するべき問題を発見し、行政ルーティンを超えた行動をして、問題解決への道を切り拓くのが政治家の役割である。

行政官はマネジメントを緻密に誤りなく行い、政治家は果断に創造的行動をする。クリエーションである。なので、政治家に求められる素質は緻密さというより失敗を怖がらない勇気だろう。

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昨日の小池知事は、行政官が果たすべきマネジメントとしては粗雑かつ乱暴で概ね「失敗」し、政治家として発言するべき内容としては、その陳腐な二番煎じぶりに失望をかっているようだ。

ま、密閉空間で多人数が密集して近距離で会話することがクラスター発生の3条件であることから、『三つの密』、つまり「密閉・密集・密接」を避けるべしという中国風スローガンをパネルに明記して覚えやすくする配慮をしたところは、さすがマスコミ業界で仕事をしていた元・キャスターであると感じたところだ。

ではあるが、出し方はともかく、やはり「焼きが回った」ということだろうか。

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カミさんと受け取り方が違うのだが、避けるべき事は<密閉 and 密集 and 密接>という積集合なのだろうか。それとも<密閉 or 密集 or 密接>という和集合なのだろうか?

小生は積集合であると理解しているが、カミさんは和集合のことだと言い張っている。

しかし、クラスター発生確率が高い場所とは、3条件のそろった積集合であるという専門家の説明があった。

もしも避けるべき所は積集合であるのなら、野外の集会は認められる。窓のない室内でも少人数で話をしなければよいことになる。和集合がダメなのなら、どちらもダメだ。公園に集まるのもダメ、駅前を歩くのもダメということになる。

どちらなのだろう?

この辺の説明も小池都知事は特にしていない。

3条件のそろったクラスター発生確率の高い場所を厳格に閉鎖したり、人数制限令を出したりするだけでも、感染拡大を抑えるには相当の効果があると小生は思うのだが、命令できる法的権限がないせいか、この辺が曖昧模糊としている。これもまた「日本的」であるということか。政治家が自らの才能を発揮する「売り出しチャンス」と思うのだが。

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