ネット記事に安倍元首相の外交感覚が次のように伝えられていた:
自民党の安倍晋三元首相は29日、東京都内のホテルで開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員の会合で講演した。
最近の中国とロシアの連携ぶりに警戒感を表明。日本の対中政策の観点からも「戦略的にロシアとの関係を改善していくことが死活的に重要だ」との認識を示した。
Source: Yahoo! ニュース、 11/29(月) 20:56配信
Original: JIJI.COM
対中外交で戦略的優位を築くために対露外交を活用するのは本筋である。
ヤッパリ、安倍首相って、つくづく内政が不得手で、外交が好きなんだネエ、と。
更に言えば、対中外交に駆使できるカードは、米国、ロシアに加えて、北朝鮮であることは間違いない。
北朝鮮との間には「拉致問題」という懸案があるわけで、この問題でもし日本がソフトコミットメントに打って出れば、期待できる利得は極めて大きいはずだ。と同時に、対韓外交、対中外交にもプラスの間接的効果がある。
西ドイツのブラント首相が進めた"Ostpolitik(東方外交)"を見習って日本でも<北方外交>を展開することにすれば、英国の思惑いかんではアメリカの賛同を得るのも、可能じゃないかとも思われる。ひょっとすると、アメリカにとっても対中優位を得るうえで「渡りに船」かもしれない ― まあ、もしこうなるとすれば、第二次大戦の末期、「背に腹はかえられない」とばかりに対日参戦をソ連に要請したアメリカの思いに似てくるのではあるが、一度あったことは、二度あってもおかしくはないだろう。
ただ対露外交の新展開とはいえ、アメリカの意向を確認せずに北方領土で日本が譲歩するのは、まず不可能である ― それに日本国内の世論も譲歩は許さないと予想される。なので、対露外交を前に進めたいと考えても、よほどの知恵が必要であり、この点では陸奥宗光クラスの天才的外交戦略家がいればの話しになるのかもしれない。
北の港町にいてもこんなことを思いつく。東京の政府ではとっくの昔にこれ位は分かっているはずだ — 「ダメ、ダメ!」とその場で却下されているのかもしれないが。
岸田総理は外相の経験が長いが、国際外交観のスケールはやはり安倍元総理の方がずっと上らしく(小生には)思われる。
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