2021年12月18日土曜日

一言メモ: 降雪量が観測史上第1位・・これは凡ミスじゃないか?それともフェイクか?

12月17日から18日にかけて北海道の札樽地区では記録的な豪雪となった。降雪量については「観測史上第1位」になったとの報道だ。例えば

【札幌・小樽で大雪記録更新】日本海側を中心に大雪となっており、今朝までの24時間降雪量が札幌55cm、小樽53cmと1999年の統計開始以降の観測史上1位を更新しました。雪で道幅が狭くなっていたり、歩道の除雪が追いついていない所があります。屋根からの落雪や除雪中の事故にも十分注意してください。

Source:北海道防災情報

小生はマンション住まいなので戸外の駐車場に除雪車が入る時には自家用車を外に移動させなければならない — 面倒な事だが、それでも一戸建てに住んでいる人の雪かきを思うと、雪の日は極楽である。今朝は雪が車の窓の辺りまで積もりドアを開けるためだけに相当のエネルギーを使って雪をかかなければならなかった・・・それでも車は雪に埋もれてはいなかった。

小生の記憶の中ではもっと雪が降った日がある。一晩のうちに町が雪で埋め尽くされた朝があったことを覚えている。であるので、昨日からの雪が「観測史上第1位」と聞いた時には、それはおかしい、と感じたのだ、な。

が、報道をよくみると

1999年の統計開始以降の観測史上1位

と書いている。

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1988年からずっと日記をつけているので、調べてみると、1996年1月9日にこんな記述をしている。

上の愚息が入院して手術。麻酔がきれる時を心配し家内は病院に泊まる。小生と下の愚息は温泉に近いホテルに泊する。夜半通過した台風並みの低気圧のせいで猛吹雪となる。一寸先も視えず。朝方には積雪が1メートルを超え、道路など全てが雪中に埋もれる。雪なお止まず。近郊の道路網は寸断され除雪もままならない模様。チェックアウトしようにも、まず除雪車を雪の中から掘り出すために従業員が雪かきをしている。その後、駐車場を除雪、宿泊客の車を掘り起こすのでそれまでは館内で待機してほしいとのこと館内放送がある。正午に至り漸く車を運転して自宅に戻る。ところがマンションの駐車場は積雪が深く中に入れず。人力で雪をかこうにも限界がある。仕方なく、大学の駐車場に車を停めようと思う。大学構内はさすがに除雪が終わっており、何とか停めることができる。この日は大学に車を置くことにしてタクシーで帰宅する。

今回のドカ雪は確かに記録的ではあったが、除雪車そのものが雪に埋もれ、町全体が麻痺する程の雪ではなかった。 

記憶にも鮮明なあの日の豪雪を含めれば、降雪量第1位は今回の雪ではない。

それよりも、この北海道で、それも《降雪量》という極めて基本的な気象データを、1999年以前には測定していないというのは、こちらの方がずっと信じがたいことだ。

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気象データは予報するためには致命的に重要な情報である。毎日の降雪量データがたった20年間ほどしかないというのは・・・どう言えばよいのか言葉を知らない。

経済活動の循環と成長が長期的にどんな特性をもっているかという問題にとりくむときには、実質GDPについて時に100年間の長期時系列が不可欠である。2、30年のデータからは明らかにできない重要な点が倍の50年、60年間のデータを用いると初めて明確に分かってくることがある。100間の経済データがあれば分かる事は更に豊富になる。気象現象は「寒暖700年周期説」があったりする位だから、なおさらのことだと思っていた。思っていたし、気温や降雨量、降雪量などは測定も簡単なのだから、とっくに100年間くらいのデータはあると思い込んでいた。それが北海道の降雪量データがたったの20年程しかないとはネエ・・・。そして、このことを「それ以前はどうだったか」と聞くこともせず、淡々と報道している側もどんな神経をしているのだろうと、こちらの方が小生には驚きであった。

まったく日本の行政機関も報道機関も常識では推し量れない、「変だよネエ」と感じさせられる所がある。


・・・ここまで書いてきて、「それにしても降雪量程度のデータがないというのは余りにおかしい」と、念のため、例えば《1996年1月8日 小樽 雪》で小樽について検索をかけてみると、1996年1月中の気象データがヒットする。気象庁が公表しているデータである。これをみると、1月8日の降雪量は84cmになっている。今回の53cmを超えている。

「気象庁のデータ、やっぱりあるじゃないか」と、・・・そうするとマスコミが強調している「観測史上第1位」ってなんだろう? こんな疑問がわいて来る。一体、誰がそう言い始めたのだろう?





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