2023年11月13日月曜日

ホンノ一言:岸田政権も空っぽのようで意外と真っ当なようで……

<日本病>をキーワードにして本ブログ内検索をかけると、これまでの投稿が数多くかかってくる。

大体は同じことを書いている。

例えば

このブログでも<日本化>、<日本病>については複数回、投稿したことがある。実際、これらをキーワードにしてブログ内検索をかけると、『こんなことも書いていたか・・・』と思うような投稿が出て来て、むしろ(我ながら)新鮮に感じる。

先日の投稿では以下のようなことを述べていた:

要するに、日本国内で積極的なビジネス展開が出来ていない、これが根本的原因であって、まさに民間にこそ《低迷日本》の主因があるのだが、その主因を解決できないでいる日本政府にも大いに責任がある。

・・・日本が取り組むべき課題はもう分かりきっている。一流の外国人政策顧問を招いても、世界的に評価されている真っ当な日本人専門家に問いただしても、まず同じことを提案するはずである。ところがこんな提案をすると日本人の神経を逆なでする。政治家は国民におもねるばかりで、なお悪いことにそんな姿勢を「国民に寄り添う」と美化している。「日本病」の核心がここにあるのは間違いない。

「経済成長」というこの当たり前の目的を達成するには、当たり前のことを実行しなければならないのだが、(どうしたことか、小生には不思議でならないのだが)日本人自らがこの「経済成長」という目標に心理的抵抗感を感じているように見えるのだ。社会心理的な不調のようでもある。

2021年12月14日の投稿だ。

要するに、日本経済が成長できるビジネス機会を日本人自らの意思決定で抑圧している。つまり、日本経済の低迷は自らが選んだ結果である、と。「日本病」というのは言い得て妙で、これを「日本人病」と言い換えても誤りではない。

端的に言うと

市場と民間を信頼せず、社会主義ないし社会主義的である国ほど、健全な経済成長が阻害される

ソ連や東ドイツ、北朝鮮の例を引くまでもなく、ま、そんな主旨の投稿を反復してきた。

~*~*~

岸田内閣は記録的な低支持率にあえいでいるが、その割にはやっていることは真っ当なのかもしれない。少なくとも、マスコミや世評の上では好評だったアベノミクスよりは、成長促進に向けた正しい診断に近付いている可能性がある。

ひょっとすると、政治家としては低評価で、首相自身が自らの意思を強く持たない空気のような存在であるというそのことが、かえって政策理論的には正しい決定につながる要因になるのかもしれない。そんな皮肉な期待をも高めるのだ、な。

「政治主導」という現下の体制の下では、かえって空気のような人が「主導」してくれる方が、良い結果につながるというのは、いかにも日本的であるような気もする。大体、江戸時代の征夷大将軍も建て前は上様であったが、実際にはそんな空気のような存在であったではないか。日本はそんな政治体制が適しているのかもしれない。

~*~*~

本日の日経にこんな記事が載っている。

政府は海外運用会社を招く「運用開国」に乗り出した。家計金融資産2100兆円が外に出ていくばかりでは日本の成長に寄与しない。国内に投資機会をどう生むかが最大の課題だ。

10月6日、首相官邸。米運用会社ブラックロックの呼びかけで中東の政府系ファンドや欧米年金など世界の機関投資家・運用会社の代表約20人が集まった。保有・運用額は計3300兆円に上る。関係者は海外勢が来日した目的を「『具体的な投資案件を見せてくれ』ということだ」と語る。

日本国内の投資案件を海外投資家にも披露しようという意志を首相官邸が持つだけでも素晴らしい事ではないか。

まあ、日本の家計が日本には見切りをつけて保有しているキャッシュを海外投資にシフトしているという最近の流れの中で、その海外からカネが日本に入ってくるというのは、理屈としては考えにくいわけだ。しかし、海外から日本に投資してほしい、と。首相官邸自らがこうした営みを続けていけば、問題の根本は日本に投資したくとも投資案件がないのだ、と。チャンスそのものがないのだ、と。チャンスが無いはずはないのだが、現実にはないのだ、と。その<真実>に政治家がいずれ気が付く。認めざるを得なくなる。自民党政治の間違いにいずれ気が付く。そんな(一抹の?)期待が持てるではないか。

もちろん上に引用した記事の末尾は

日本企業はバブル崩壊以降、設備投資や研究開発を抑えて借入金返済を優先してきた。日銀の資金循環統計によると民間企業部門(金融除く)は戦後、資金不足だったが、1998年から資金余剰の局面に転じた。海外マネーが注目する今こそ、日本が積極投資に打って出る好機となる。

GXだけでなく、省人化や農業など日本経済の課題は多い。投資機会をどれだけ増やせるか。運用立国実現のハードルは高い。

Source: 日本経済新聞

Date: 2023年11月13日 4:00

URL:  https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC18AZX0Y3A011C2000000/

「運用立国へのハードルは高い」と疑惑の目で首相官邸の努力をみている。

来てくれと言うなら、『こんなチャンスが日本にあるってこと、知らなかったでしょ』と言えるような美味しい話がなければならない。しかし、そんな美味い話はないことを日本人は知っている ― それとも、日本人には縁のない美味しいチャンスを海外投資家には提供しようという心づもりなのか……。何のために……?

マ、それはともかく、日本人投資家に愛国心がないのではなく、外国人からも『こりゃあ日本に投資機会はないわ』と、こんな引導を自民党上層部に出してくれるだけでも、明るい気分になれるというものであろう。 

0 件のコメント: