2012年1月27日金曜日

メルケル税制改革の収穫期が訪れたドイツ?

日本の野田政権と財務省は悲願の消費税率引き上げに向けて<不退転>の姿勢を貫く覚悟のようだ。それにしても、震災復興、電力不安さらには欧州債務危機にまで揺さぶられる国内経済の中、「なぜいま?」という声は強い。

独紙Sueddeutsche Zeitungには以下の報道があった。
Im Dezember 2011 hat der Bund so viele Steuern wie noch nie in einem Monat eingenommen: Finanzminister Schäuble darf sich einem Bericht des Handelsblatts zufolge über mehr als 70 Milliarden Euro freuen. Das bedeutet für den Bund: Die Neuverschuldung 2012 könnte niedriger ausfallen als geplant. (Source: SZ 27, 1, 2012)
昨年12月のドイツの税収は、景気後退の懸念が強まる欧州にあって何と過去最高を記録したとのこと。この結果、国債の新規発行は予定より下目で済みそうであるとの見込み。何と羨ましい。我が国の財務省官僚は唸りそうである。


しかし、これも付け焼き刃ではない改革の長い道のりを経た成果である。たとえば資料「ドイツ税制改革」を参照。下は資料本文から引用した。
2005 年の連邦議会選挙の結果、社会民主党(SPD)とキリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)による大連立政権が成立し、CDU党首のメルケルが首相に就任した。当時のドイツは、4年連続でマーストリヒト条約における財政赤字基準(一般政府の財政赤字対GDP比3%以内に抑制等)を超過しており、財政再建が喫緊の課題とされていた。こうした背景から、メルケル大連立政権の下で、一連の税制抜本改革が行われることとなった。
2005年の政権獲得後、キリスト教民主/社会同盟は前与党である社会民主党とメルケル大連立内閣を結成し、EU条約違反となっていた財政不均衡を是正するため、税制改革を実行した。政権獲得の翌年には付加価値税率の引き上げ、所得税最高税率の引き上げを決め、1年後には法人税率の引き下げを決めた。柱がしっかりとした誠に骨太の政策であり、「1万円ばらまき」のような華奢な人気取り政策は議論すらしていない。リーマン危機の少し以前のことであり、経済状況はピークアウトの心配は唱えられていたが、その後に比すれば御の字であった。時機の選択は適切だった。

これに比べると・・・などと言っても何が始まるわけでもないが、国家に責任をとることをためらわない「西洋の政党」と日本の政党物真似劇との違いが如実に現れているではないか。これでは、極めて悪い意味での<和魂洋才>。真似するなら全て100%、西洋のマネをするべきであった。

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