自由を、さもなくば死をこれはまた極端だなあ、今朝の朝刊を読んでいてそう思った。それを書いておこうと思った。しかし、上の言葉のオリジナルは、
自由、平等、友愛、さもなくば死をというもので、これは1790年代フランス革命のさ中で革命政府の重鎮、ロベスピエール、ジャン・ニコラ=パシュなどが使い始めたものである。ちょっとウィキペディアをみると、そんなことが分かった。 自由・平等・友愛、この三点セットがそろわなければ死んだ方がいい。これはまた、極端な完全主義ですなあ。仏蘭西人は、いまごろ、一人も生き残っていない理屈である。大体、自由と平等は矛盾しているだろうし、平等と友愛だって本当に両立するのか。全部そろわないと、何もしないというのは、スローガンには使えるが、現実政治には使えない。
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こんな記事があった。
共同通信社が野田改造内閣発足を受けて13、14両日に実施した全国緊急電話世論調査で、内閣支持率は35・8%となり、7、8両日の前回調査より0・1ポイント増の横ばいだった。不支持率は2・7ポイント減の47・8%。野田佳彦首相が期待した改造による政権浮揚の効果は全く得られなかった。共同通信社が行った世論調査は、本ブログでも2、3日前に投稿しておいたが、通信社は事実を伝える企業のはずだ。大体、事実として<世論>なるものが判明したと、同社は心底から考えているのだろうか?考えているとすれば、愚かであるとしか言えないし、愚かでないとすれば無学である。
一方、首相が改造内閣のナンバー2に起用した岡田克也副総理兼一体改革・行革担当相に「期待する」と答えた人は59・4%に上った。参院で問責決議を受けた一川保夫、山岡賢次両氏を閣僚から退任させたことについて「評価する」は67・1%、「評価しない」が21・8%だった。
首相が決意を示す消費税増税をめぐっては、国会議員定数と国家公務員給与の削減が実現しない場合には「増税すべきでない」との回答が79・5%に達した。(MSN産経ニュース2012.1.14 18:58配信)
「すべきである」、「すべきでない」と二択で回答させる調査では、サンプル数1000人で大体1.5%くらいの誤差を免れない。3択、4択と選択肢が増えると誤差はもっと大きくなる。普通は、この標準誤差の2倍程度はとって、結果を解釈するのがデータ利用者の鉄則である。電話による調査では千人程度をサンプルとする例が多い — そもそも上の記事では回答者数すら記していない、誤差の観念ももっていない証拠だ。だから、前回から今回にかけて数字が6%上がったとしても、この6%の上がりは誤差が大きなマイナスから大きなプラスになっただけの見せかけである、そう解釈すれば「実際は横ばいともいえますね、数字は6%上がってますが、これは誤差かもしれません」と — 本当は2回の結果の差について誤差を出しておくべきところだが。あるいは、数字が横ばい圏内であるように見えても、実は上がっている(もしくは下がっている)。それもありうる。
もしこんな風に言えば、そんなものは使うなと言われるだろう。ま、千人の結果などこんな程度である。最低でも一万人位は調査しないと「世論」は分からないはずだ。千人というのは余りに低コスト過ぎます。低品質の世論調査をただ機械的に実行しているだけの通信社、その通信社から数字という素材を買っている新聞社は、その数字が使えるのか、使えないのか、考えることもせずに、ただ左から右に流している。見ていて決して愉快ではありませぬ、な。
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驚くのは、
国会議員定数と国家公務員給与の削減が実現しない場合には「増税すべきでない」との回答が79・5%に達したという下り。
前にも投稿したが国家公務員の給与が占める人件費は5兆円くらいで、予算に対して5%強という程度だ。それに対して、いま国家予算は税収が5割以下である。これが問題の本質である。20分の1程度しかない支出項目を減らせないなら — 削ったとしても何千億しか出ては来ぬ、焼け石に水だ — 最大問題の解決にも着手するべきではない!・・・沈黙するしかありませぬ。これって本当?
社会保障スリム化+給与コストスリム化+増税の三点セットを実現せよ八割の日本人はこう考えているのか・・・いや、全く、こんなはずはない。誰でも、最後に三点そろうなら、前後の順はとわず、できることから速くやれ。そう言うんじゃないかなあ、と。小生は、そう思うのだがなあ。他の人たちも、まあ同じだと思っている。だからこそ、世論調査はなおさら信頼できないと感じているのだ。
さもなくば、日本国家に死を
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