経団連の米倉弘昌会長は28日の記者会見で、ドイツのメルケル首相が、円安の進行を受けて日本の経済政策に対する懸念を示したことに対し、「異常な反応だ」と批判した。
その上で「(現在の)円安は行き過ぎた円高を修正するものだ」との見方を示した。
また、「日本経済の見通しからすれば、デフレの解消ができそうだなという感じもある」と述べ、将来的な賃上げの可能性について、「これからの景気次第だが、早いところで来年ということも考えられる」との認識を示した。
(2013年1月28日21時56分 読売新聞)ドイツはECBによる国債買い入れにも反対している。本ブログにも投稿したが、ドイツの中央銀行総裁であるワイドマン連銀総裁は「ECBによる国債買い入れは法に反している」とすら主張している。そのドイツが日本の国債買い入れ増額を批判するのは、当たり前のことである。
当たり前のことは、あらかじめ予想しておくべきであって、案の定、反インフレの急先鋒であるドイツが日本を公然と批判してきたのだから、日本にとっては論陣構築のチャンスであったわけだ。ただちに反駁するのがよい。もちろん理論的に整然と確信をもって反論する ― ここが大事である、な。
日本は、これまでの中途半端な通貨政策が実態とかけ離れた為替レートを招き、結果として経済成長を不必要に阻害する誤った政策であったと認識したからこそ、現在の政策方針に転換した。これが政府のロジックだろう。だとすれば、ドイツのように「従来の政策こそ正しく、現在の政策は誤りだ」という意見に対しては、「そちらこそ理論的に間違っているのだ」と、精緻かつ堂々と反駁するべきだ。そのための『ダボス会議』でありんしょう・・・。
それを『あなたが言っていることは異常です』という言い方はないだろう。理に対しては理で反駁するべきところが、理では負けるから、異常呼ばわりをする。そう受け取られるだろうねえ。
心の底では「あなたたちもアンフェアなことをやってきたんだから、私たちだってやりますよ。堪忍袋ってものがあるんすからね」、と。ホンネのところでは、『ほんとはいけないんだけどね』と後ろめたい気持ちを感じつつ、アベノミクスを実行しているのであれば、そんなことは止めた方がよい。
正しく行動している時にプライドを保てるのであり、国を愛することができるのであって、ほんとはまずいことを、周回遅れで模倣するなどは、ゲスの国がやることである。国威を傷つけること夥しいものがある。
ドイツの批判は、事前に予想されていたわけだから、こう反駁するという案をなぜ内閣府の官庁エコノミスト(まだそういった官僚が残っていればの話しだが)、あるいは直接関係する日銀マンに用意させておかなかったのだろう。
どうも不思議なことであります。だんまりのあと、『異常だよ、あんなの』と拗ねるのは、一番見っともないことだ。まあ、海外のエコノミストの多くはアベノミクスの意義に理解を示しているから、まあいいのだが、あまり賢く行動しているとは言えない。
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