2018年9月11日火曜日

メモ: 「旭日旗」に対して思う事

小生の子供時代には、まだアニメも戦争中を題材にした軍隊ものが多かったし、ドラマともなればもっとそうだった。中国戦線で活躍した帝国陸軍の一分隊が主人公となって、最後は分隊長を含めて全員が戦死・壊滅するところが最終回だったことをかすかに覚えている。

そんなドラマやアニメで旭日旗は頻繁に登場していたわけであり、その時には食傷し、今では「あれはどんな趣旨だったのだろう」などと思い出すと、おそらく小生の世代には共通の心情だと思うが、旭日旗に対して感懐(?)とか、思い入れといったような気分はもはやない。亡くなった父の世代から口承で伝え聞いた話もある。なので余計に何の思い入れもない。若い世代には何か伝統なり、歴史なりを感じさせることがあるのだろうか。

しかし、隣国・韓国では旭日旗に対する反感は大変なものがあり、韓国内でそれを使用するものは処罰の対象となっているよし。

今回も以下のような報道がある:
10月済州(チェジュ)で開かれる国際観艦式に日本海上自衛隊が「旭日旗」を掲げて参加することを反対する国民請願が増えている。
韓国海軍によれば、10月10日から14日まで済州海軍基地で開かれる国際観艦式には日本をはじめとして14カ国21隻の外国軍艦と45カ国の代表団が参加する予定だ。問題は日本海上自衛隊が旭日旗を掲げて済州国際観艦式に参加するという点だ。
(出所)Livedoor News, 2018-09-11
(元記事)中央日報、2018-09-10 17:00 配信

確かに他国の軍艦に掲げる旗に注文をつける権利はどの国にもない。

しかし、日韓関係は通常の隣国関係とは異質である事実は否定できない。

一般的な観点から思うのだが、平和時に掲揚する軍艦旗くらいは戦後日本の平和主義を象徴する(たとえば)「日の丸」を用いるとか、もしくは"White and Red"をテーマにデザインした新たな旗を定めてもいいのではないだろうか。

帝国海軍でも使用してきた旭日旗を伝統として尊重したいのであれば、「戦闘時」―さらに実弾使用演習時を含めてもよいかもしれない ― そんな状況において掲げる旗にすればよいのではないか。旭日旗とZ旗が同時に翻れば、海上自衛隊の士気も大いに上がるだろうと想像される。

そもそも幕府海軍の咸臨丸が万延元年(1860年)に日米修好通商条約批准書交換に渡米する遣米使節団に随行し、太平洋を渡ったときには艦尾に「日の丸」を掲げていたわけであるし、実際、旭日旗が軍艦旗になったのは明治22年(1889年)の勅令による。それまでは大日本帝国海軍の軍艦旗は「日章旗」であったのだから。

咸臨丸による太平洋横断

URL: http://kikonai-kankou.net/kanrinrekishi001.html

最後に一言だけ付け足すと、群青の海に映える旭日旗は確かに美しい。原野を行進する兵士が旭日旗を掲げている写真をみても実に綺麗だと思う。モノクロ写真ですら絵になっている。その審美的な完成度は本物であると思う。

帝国陸海軍は戦争ばかりやっていたが、平和主義に徹する現代日本においては、旭日旗を使用する時と状況を決めてもよいのではないだろうか。


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