「諸般の事情」という言い方は、政界・官界・財界で日常的によく使う言い回しだ。
東日本大震災で全国の原発が全て政治的に停止要請され稼働を止めた中、北海道では特に電力需給のバランスが綱渡りであったので、道議会でも「ブラックアウトが発生するリスクがあるのではないか?」という質問があったと報道されている。要するに『大丈夫か?』という確認である。それに対して、道庁は(言葉通りではないが)『まあ、大丈夫である』と答弁してきたよし。
ところが現実にブラックアウトが発生してしまい、道民の生活の安定に直接的責任を有している北海道庁は偽り、といっては気の毒か、甘い見通しをもってきた姿勢が露見してしまった。
この世界に抵抗できないものがある。一つは論理であり、一つは事実である。どんな高尚な理想も、固い信念も、論理で負ければ誤りと判定され、事実によって否定されれば間違いであったことになる。
そんな場合、上層部の方々はよく「諸般の事情により方針を変更いたします」と言うものだ。
この何日かの地元紙、TV報道の言い方・論調は、滑稽なばかりに口ごもり調子であり、逃げの姿勢が露わになっている。具体的なエグザンプルを引用するのも馬鹿々々しいと感じるほどに、情けない調子になってきている。
「諸般の事情」というのは"because of various reasons"と英訳されるのだろうか。英語はロジカルだから、こう言うと"what are the reasons?"と聞かれそうだ。
「諸般の事情あり」とはヤッパリ英語にはなりにくい表現だ。論理的にツッコムと「お察し下され」といって平身低頭するといった情景が、この先待っているのだろうか・・・。
まわる~まわる~よ、時代はまわる~
喜び悲しみくり~かえし~
いま経済産業省の資源エネルギー庁に在籍している官僚達は、にわかに訪れた修羅場が30年に一度の出世の好機であることを悟り、部内は湧きたっているものと想像する。どこまで遠方まで見えるか、その人の力量にもよるが、小生も『もっと若けりゃ参陣するものを・・無念じゃ』と思うことしきり。
道庁の方は・・・どこか意気消沈しているようにみえる。
まあ、時に勝敗あり、人事をつくして天命をまつ、である。何事も。
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