2018年10月14日日曜日

メモ: ネットメディア批判への一つの疑問

景気見通しを整理しておきたいと思っているが、メモにしておきたい(しておかないと忘れてしまうので)ことが頭に浮かんで、中々まとめるに至らない。

フェースブックがヘイトスピーチなど悪質なコンテンツ配信の責任を追及されている。最近は、ハッカー被害をうけて千万人単位の個人情報が漏出したというので、甘い管理体制が批判されている。

どうもその世間による集中バッシング、というか非難振りにへそ曲がりの小生はマタマタ疑問を感じ始めたのだ、な。

***

確かに悪質なデマや中傷、フェイクニュース、政治的プロパガンダがネットで流通すれば社会にとっては害悪になる。

しかし、だからといって、配信メディア企業に害毒を流している責任があると言い出せば、では非合法取引の利益を預金として受け入れた金融機関は、その預金の源泉が犯罪であることが事後的に判明した時点で、責任を追及され有罪となる可能性があるのか?あるいは、患者を治療したつもりの医者や歯医者は、その患者が非合法取引に従事していることが事後的に明らかになった時点で、犯罪者を幇助したという責任を追及されるのか?

極端なケースを考えれば、犯罪計画を電話で相談したから電話会社に責任があるのか?犯罪者が利用したから鉄道、バス会社、高速道路株式会社に責任があるのか?電気を使ったから電力会社に責任はあるのか?水道が犯罪に利用されるかもしれないから公営企業はモニターしなければならないのか?公園で麻薬が取引されるかもしれないから公園管理者は利用者を取り締まらなければならないか?

まったく・・・キリがない。というか馬鹿々々しい問いかけだ。包丁が凶器に使われたからといって、その包丁のメーカーを責める道理は現代社会ではもはや通用しない ― 包丁なるものが世に普及した初めの事情はわからないが。

SNSは既に社会のインフラである。そのように認知されている。正しく利用するユーザーもいるし、悪質な使い方をするユーザーもいる。社会の現実だから仕方のない話だ。便利な道具も悪用すれば害悪をなすツールとなる。しかし、悪いのは悪用している人間であり、道具が悪いわけではない。

要は、悪質なユーザーが確認された時点で、できるだけ速やかに悪質な行為を止める。これが社会のルールであるわけで、ネット企業はその取り組みに協力しなければならない。

これが基本的なロジックである。

ヘイトスピーチを流通させたこと自体に基づき、フェースブックなどSNS企業を非難するのは、非論理的であり、非難の対象を取り違えている。その種の人は、電話会社、金融機関、交通機関等々、すべての社会インフラを非難しなければならない。トヨタや日産といった自動車企業も、犯罪に関係した角で責任追及、カネを使っているからという理由で日本銀行も非難・・・とまあ、ここまで行かないと理屈が通らないってものでござんす。

0 件のコメント: