要するに、どの世代であっても、誰であっても、時代と環境が与えられた中で自分の人生をある目標を追い求めながら生きるということに何の違いもない。
小生の両親もそうであったし、祖父母の世代、いや更にその前の曽祖父の世代も、その時代、その時代で激しい社会的変化が進んでいて、生きるのは大変だったろうと思う。老人が少なければ、病人と子が多く、兵役もあった。大変なのは現代の若者だけではない。
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さて、年金が軸になるとしても、同時に賢明な資産運用が老後の人生の豊かさを決定するうえで非常に重要であるのは事実である。
本日の日経はその点について解説している。要は、日本国内に限定せず、世界規模で持つべき資産を選ばなければならないということだ。
しかし…
世界的にも成長鈍化の傾向はあり、今後の成績は過去よりやや下がりそうだが、それでも長期では5%程度の年リターンが見込めるというのが多くの機関投資家の予想だ。世界株指数に連動する低コストのインデックス型投資信託を一本買うだけで、そうした成果が得られる。
(出所)日本経済新聞、2019年4月29日5:30配信
一部を抜粋するが、記事の全体的内容には賛同するものの、『これを今いうか!?』というのが正直な感想だ。
2016年の年初から春先であれば非常に的確な啓蒙記事であったろう。というのは、その頃は国際商品市況が暴落して、株価も世界的に低迷していたからである。その頃、英・鉱山会社の"RIO TINTO"や昔の香港上海銀行である"HSBC"、あるいは石油メジャー"BP"の配当利回りは表面で6パーセントを超えていた。英株は現地課税がゼロであるので配当課税は国内株と同じ20パーセント少々である。加えて、株価水準が底値圏にあるということは、配当利回りを大きく上回るキャピタルゲインを期待することもできた。
しかし、現時点は景気のピークアウトがささやかれたり、案外に踊り場程度の停滞で抜け出すのではないか等々、将来は微妙で、不透明である状況だ。このタイミングで「老後の資金確保には海外投資がポイントです」などと言うか?非常にミスリーディングだろう。
もし現時点で推奨するなら、日本国内のJ-REITや(エネルギー)インフラ投資法人になるはずではないか。これならこの2、3か月で上昇したとはいえ、表面利回りはまだ5パーセントを遥かに超す(そういう良質の銘柄がまだある)。価格も株式よりは総じて安定している ― というより、国内株価との相関係数が低い。
この記事を読んで、本当に連休明けから海外投資をして、株価が暴落したらどうするのか?景気後退に見舞われれば、また円高になる公算が高いが、そうなれば円評価額は為替変動だけで5~10パーセントは低落するかもしれない。あまりにも危険ではないか。小生は昨夏から(価格が上昇して配当利回りが低下した銘柄を中心に)海外株は段階的に整理してきた。
現時点のタイミングで海外投資を勧めるなど、
- 日本経済新聞社自体が資本市場の都合を代弁している。
- 日経記者は経済的センスに欠けている。
- そもそも記事内容について責任をとるという意識がない。
上の三つのいずれかである理屈である。
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