日本経済の景気変動を手軽に(?)に視える化したい時は、やはり内閣府の景気動向指数が便利である。特に変動の振幅までイメージできるコンポジット・インデックス(CI)がよい。その景気動向指数が公表された。直近月は昨年12月である。
Source: https://shigeru-nishiyama.shinyapps.io/getdrawci/上の図は、先行指数(le)、遅行指数(lg)だけを描いている。株価(採用系列は東証株価指数)等から算出される先行指数はずいぶん以前から低下していたが、今回発表では雇用動向等を反映する遅行系列も対前月で低下した。今後、景気後退色が目に見えて広がってくるものと予想される。
政府が力こぶを入れている「賃上げ」だが、予断を許さない ― 多分、中小企業を含んだ国内平均の賃上げ率は大した結果にはならないだろうと予想している。
どの程度の後退か、まだ明らかではない。先行指数を見る限り、それほどの後退ではないと(今のところ)思われる。
この先行指数、図の右上にも表示されているが、直近ピークは2021年6月につけている。今回、遅行指数が低下に転じる前兆が確認されたと(小生は)見ているが、1年半のタイムラグがあったことにある。
リーマン危機の際は、先行指数のピークが2006年5月、遅行指数のピークが2007年12月。やはり1年半程度のタイムラグがあった。
景気変動の振幅の違いはあれ、景気循環のメカニズムはそれほど構造変化していないことが示唆されている。
面白いのは、コロナ禍による経済混乱であるが、先行指数は2017年11月に(やや低い)ピークをつけたあと、回復することもなく、2020年5月の底まで奈落の底に落ちるように低下している。これをみると、
やはり2019年10月の消費税率引き上げ(軽減税率対象外は8%から10%)は時期の選択としては最悪であった。
そう言えるだろう。経済専門家が政府内にも多々いたはずであるのに、なぜこうした判断をしたのか、甚だ疑問である。
0 件のコメント:
コメントを投稿