<情報化時代>というのは、馬鹿々々しい事まで、それが拡大されて世間に伝わるということなのだろうか?
JAXAが打ち上げを予定していたH3ロケットの事もそうだ。
概要は毎日新聞の以下の記事で要点は尽きている:
種子島宇宙センター(鹿児島県)で据え付けられたH3の機体を、遠くから大勢の人が見守った。主エンジンは正常に着火し、白い煙を吐き出したが、カウントダウンが「ゼロ」になっても、機体は発射台から動かなかった。
JAXA側の担当プロマネの説明では、《フェイルセーフシステム》が異常を検知したので打ち上げを中止したということだ。
ところが・・・
「失敗ではないのか」。記者会見で問われた岡田氏は「いざとなれば安全な状態で停止させることに、かなりの神経を使っている。その意味では正常に停止したので、設計した意図通りではある」と説明した。
上のように「失敗」という語句に拘った共同通信の取材記者が何度も食い下がり
世間ではこれを一般に「失敗」と呼んでいます
と捨て台詞を吐いたというので、今度はこれが騒動になっているそうだ。
フェイルセーフとは”Fail Safe"であり、Wikipediaの解説
フェイルセーフ(フェールセーフ、フェイルセイフ、英語: fail safe)とは、なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に設計時に想定した安全側に動作するようにすること。またはそう仕向けるような設計手法で信頼性設計のひとつ。これは装置やシステムが『必ず故障する』ということを前提にしたものである。
こんな説明を待つまでもなく、生じた異常は、確かに"a failure"であった。しかし、英語の"failure"は常に日本語の「失敗」という単語に訳されるわけではない。正常に動作しない異常なり障害もまた"failure"である。だからこそ"fail safe system"が作動して、補助エンジンに点火しなかったのだが、これもシステムの管理下で自動的にそうなったのであり、《システム管理下》の異常であったというのが、客観的なロジックだ。
システム管理下の安全維持動作であるので予定変更ではあるが失敗ではない。
これがJAXAのロジックで、現代工学では極々標準的な言葉使いである。
だから、旅客機が離陸するときでも、何らかの異常をセンサーが検知すれば(たとえ飛行可能ではあっても)「離陸中止」となり、多分、使用機変更になる。この手続きを「離陸失敗」とは言わない。異常発生に対してシステムが指令するルーティンであり正常業務の範囲内である。
今回の件は、「打ち上げ失敗」というより「報道の失敗」と言うべきだろう。
The launch of H3 has been postponed due to some trouble in its auxiliary engine.
英米紙なら、多分、上のようにポストポーン(postpone)されたと短く伝えるだけの事だったのじゃないか?
・・・と思って、NYTやBBCを調べてみたが、記事が見つからない。報道もされなかったのかも・・・
まあ「報道の失敗」がニュースとして報道されるなんて、抱腹絶倒のブラックユーモアでしかない。情けないネエ、こんな印象で終わってしまった。
それにしても、共同通信のくだんの記者、卒業した学部はどこなのだろう?
まさか工学部出身の人じゃないよね?何だか、失敗の責任を確認したいような雰囲気だったから法学部出身? ひょっとして・・・
そんなことを思いました。
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