2020年4月14日火曜日

テレワーク拡大の予想

政府が旗を振っている「テレワーク」。日本の産業界に浸透・拡大していくのはほぼ確実である。

いま政府は新型コロナ対策をテレワーク拡大の最大のチャンスとみている(はずだ)。言うまでもなく、日本企業の国際競争力強化のためである。

本ブログでは小生の趣味である「将来予測」を幾つか投稿しているが、テレワーク拡大の予測もその一つとして追加しておきたい。

なお、予測はあくまで「予測」である。なぜそうなると思うかというロジックだけが意味ある内容である。そうなるのが望ましい/望ましくない、そうなってほしい/ほしくない、等々という思いは予測作業にとっては余計な感情で、全て邪念だ。自分自身の予測に愕然とする瞬間は、時に予測屋が経験することでもある。

***

ずっと昔、まだパソナ・グループが「テンポラリー・センター」という名前の会社で、「人材派遣」という新しいビジネスがどれほどのものか、若い小生には全然ピンと来なかった頃だが、当時の「若殿」、つまり現在の代表にも入ってもらい座談会をアレンジしたことがある。ほかに招待した人たちの面々は残念ながら忘れてしまった — その時の座談会が掲載された雑誌は図書館には残っているだろうから確認は可能だが。

その当時のキーワードもまた『色々な働き方ができるようにしよう』であった。その頃は、「会社員」といえば100パーセント正規社員。年功序列の下で会社のために無定量・無際限に働くのが当たり前だと思われていた。働き方には「通念」があるのだ。それを働く人の身になって、一定時間、一定範囲の責任で、自由に働きたい。そんな思いに応えるビジネスが人材派遣サービスであったのだ。

その頃の理念と最近の「働き方改革」と。理念だけをみれば全く同じに見えるのだ、な。小生には。

人材派遣ビジネスの成功は非正規就業者の拡大という形で実現した。企業の利益には大いに貢献した。

***

規制緩和と自由化は、競争に巻き込まれて敗退する人たちの悲哀と抗議があるにせよ、常に経済活動を活発化し、結果として所得と利益を増やすものである ― 負の側面は、自由化そのものから生じるのではなく、独占化・寡占化による市場の支配、機会の抑圧、優越的地位の濫用、行政との癒着がもたらすものだ。が、まあ、この話題を掘り下げると混乱しそうなので、また別の機会に。

***

テレワークもまた必ず拡大し、成功するはずだ。関連分野の需要拡大はほぼ確実に見込める。

なぜなら企業利益に貢献するからだ。

現段階ではまだ通信環境、セキュリティなどテレワーク基盤が整っていない企業が多いと思われる。しかし、このこと自体がテレワーク関連分野にビジネスチャンスが多くあることを示している。

人事部長: 君ねえ、相談なんだけど、10月からテレワーク勤務に移ってほしいんだ。毎日出社するのも大変だろう?
A氏: それは基本的には、有難い話しなんですが・・・
人事部長: まあ、通勤手当はなくなるけれど、毎朝の満員電車からは解放されるわけだしな。給与の方は会社としては大体8掛けで考えているんだ。賞与は同じだ。副業も認める。まあ、新しい事でもあるしね、これはあくまで打診ということなんだが、どうだろうか?
A氏: そうですね。家内とも相談してからご返事させていただいても宜しいですか?

こんなやりとりが増えていくだろう。

テレワーク基盤整備には政府から助成金が出る。基盤が整ったあとは、人件費コストの節減に大いに寄与するはずである。

こんな旨い話しに企業が乗り出さないはずはないのである。

テレワーク勤務に移行した人材が、その後の社内出世競争にカムバックするのは、まずありえないことだろう。

0 件のコメント: