確かにGOTO何トカと新型コロナの感染急拡大との因果関係については、「そりゃ、関係あるだろう」という山勘はあるものの、統計的なエビデンスが極めて弱く、不審な点も多く、本当に関係していたのかどうか、分からないのが現状である。
たとえばGOTOトラベルを利用して来道した旅行客から、具体的にどのような経路をたどって道内各地に、たとえば旭川市にまでウイルスが拡散していったのかが分からない。少なくとも、今回の旭川市の巨大クラスターはどう考えてもGOTOトラベルが原因ではなく、医療施設内のマネジメントが原因だろう、と。そう考えるのが自然だと思うのだ、な。であれば、GOTOを止めるにしても、気がついていない感染防止スキルの問題があるのであれば、クラスターの発生を止めることはできない。またいずれ近いうちにどこかで何かの接触で同じ規模の感染爆発現象は起こりうる。そんな理屈になる。
『10月以降、GOTOキャンペーンによって新型コロナ感染者が急増した、特に東京、大阪、北海道で』という「ものの見方」は、マスコミは飛びつくだろうが、本当にこの仮説が真理であるなら、むしろ幸いだ。感染抑止の有力な手立てがあるということなのだから。
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小生自身は、『経済対策を止めてください』とお願いするばかりではなく、感染防止のスキルアップをはかることが医療専門家が取り組むべき重要な研究課題であろうと思っている。
とにかく直接的に旅行に関係する人々により多くの感染者が発生している状況ではなく、大クラスターの多くは、病院、高齢者施設、学校といった集住組織(及び飲食店)で発生している。
感染は旅行ではなく「飲食でのおしゃべり、回し飲み」、「ライブ・合唱」、「大声イベント」といったハイリスク行動への参加が決め手になったはずである。しかし、これらの「行動記録」は(多分)さっぱり残っていないのだろう。ここにも未デジタル化社会である日本のウィークポイントがある。
民主主義国・日本のウィークポイントである。
だからこそ、その枠内で問題解決能力の底上げを目指して、まず「デジタル化」を進めようとしている菅内閣の着眼点は実に本筋をついている。そう思うのだ、な。
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とはいえ、プロ野球でも試合に勝たなければ来シーズンへの継続はない。夏の甲子園なら一度負ければそれで終わりだ。立派な戦略も、いまの勝負に負ければ夢のまた夢なのである。
その勝負は、攻守のバランスが大事だ。
まず守って、失点を少なくして、そして攻める。
小生の郷里である愛媛県では、高校野球なら何と言っても「松山商業」が人気だ。松商野球の神髄はとにかく守るのである。守って、守って、僅かのチャンスをものにして僅差で勝つという野球である。
あそこまで徹底するとなると、好きゝだが、政治も経営も、道理は同じだろう。守りを固めてから攻めるのが専門分野を問わず勝負の理ではないだろうか?
残念ながら、日本の医療は前にも投稿したが「少数精鋭主義」で多くの犠牲には耐えられないのだ。状況の急変に即応して柔軟かつ縦横に医療資源をシフトする機動性にも欠けている。制度上のバックアップもない。
そんな現状の中で、犠牲を省みず強引に攻めるという戦術では自滅するだろう。
ワクチンへの期待があるかもしれない。しかし、ワクチンという「援軍」が到着して、効果が出てくるまでには(おそらく)半年以上の時間がある。
その間に自滅しては元も子もない。
守備を鍛え直してから、再度、未来へ向けた攻勢をとるのが適切ではないか?守備の乱れから逆転負けを喫した高校野球の監督なら必ずそう発想するはずだ。同様に、現政権も「立て直し」に目を向け始めるものと予想する。その際、「守備を鍛え直す」とでも言えることに着手しなければ、同じ失敗をこれから以降も何度となく繰り返すだろう。
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