2020年12月4日金曜日

ホンノ一言: GOTOとコロナ感染に関する2,3の疑問

今年は年の初めから終わりまで「コロナ」がキーワード だった。年末にはこの1年のコロナ関連投稿をまとめてリストにしておくと便利そうだ。


GOTOトラベルと新型コロナの拡大に何かの関連はあったのだろう。それは同感だ。とはいえ単なる<山勘>でもあって、正否は定かではない。


「GOTOトラベル」は観光関連産業(旅館・ホテル、航空、鉄道、観光バス等々)を救済するための緊急経済対策である。とすれば、実は、分からない点も幾つかあるのだ、な。例えば・・・

  1. 北海道では確かに感染者が急増した。最初は寒冷な季節が到来したせいだと思っていたが、今ではGOTOトラベルが原因だと語る人が多い。であれば、旅館・ホテルの従業員がもっと多く感染していてもいいのではないか。ところが、複数発生しているクラスターは病院や高齢者施設、そして学校が多い。観光ビジネスとどう関連しているのか分からない。
  2. 9月から10月にかけてススキノ界隈の不衛生振りが何度かとりあげられた。これらは宿泊業ではなく観光ビジネスとは直接に関係していない ― 観光客が集中してウイルス感染があったと人は言うだろう。だとすれば旅館・ホテル側でウイルス感染がもっと表面化している方が納得できる。
  3. GOTOトラベルを利用して全国には多数の旅行者が訪れた。中でも秋という季節もあって「京都」には大勢が集まったはずだ。しかし、京都の感染者数は(少なくはないが)訪問観光客数に比例する程ではない。なぜだか分からない。
  4. 人気の高い旅行先である全国の温泉と温泉宿がある。そこにも多くの観光客が訪れた。しかし、温泉宿で大クラスターが発生した例はあまり聞かない。少なくとも全国の観光拠点で感染クラスターが多発している状況ではないようだ。大勢の観光客がウイルスを持ち込んで感染が拡大したのであれば、全国の「観光拠点」でもっとクラスターが発生していておかしくはない。
「旅館・ホテルの従業員」、「京都」、「全国の観光拠点」で予想できるほどの感染者が出ていないと思うのだが、ただそれをデータを集めて今から検証するのは、ちょっとしんどいネエ・・・、誰かやっているだろうか?というか、厚労省が分析するべきだろうという気もする。というより、そもそも「ビッグデータ」の時代に、政府の「何トカ分科会」。そのメンバーに経済学者は入っているが、データ操作、モデル構築技術に長けたデータ・サイエンティストが入っていない(と思う)。これでは感染対策の最前線において実効性のあるファクト・ファインディングができないだろう。結果を出そうとする際に、純粋理論や理念・信念は役には立たない。プロ・スポーツでもデータ・サイエンティストをチームに同行させる時代なのだ。

話しがそれた・・・

さらにつけ加えると、小生が調べた事ではないが、若手データサイエンティストであるO氏が「航空旅客数の増加と新型コロナ感染者数の変化に関する因果性検定」を行っている。羽田発で新千歳、福岡、那覇着に限ったデータに基づくもので限定的な分析ではあるが、旅客数と感染者数には因果関係が検出されていない。

また、先日のTVワイドショーでは福岡県の知事であったか、県庁関係者であったか、福岡県を訪れる観光客数の動きと感染者数の増加のデータを対比してみると、とても関連性があるようには思われないということをグラフを使って説明していた。

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GOTOトラベルは、それ自体が主因というより、「気の緩み」を招いたという点で感染拡大をもたらしたということなのだろう。そんな気がしているのだ、な。

だとすると、ハイリスクの行動とは何か?ハイリスクの行動を避けることの効果をどう評価するか?感染確率が極めて高い「リスキーな行動」といえば「飲食でのおしゃべり、回し飲み」、「カラオケ」、「ライブなど大声イベント」が既に挙げられている。国内感染者も既に十分な数に達しているわけであるし、この辺を分析すれば行動パターン別の「リスク・クラス」、「リスク・ランキング」のような表にまとめられるのではないか?差し当たっては、ハイリスク行動の監視と抑え込みをシステマティックに実行する。これが緊急の課題ということになるのではないだろうか。

いずれにしても、非論理的な憶測とか印象を「情報」 ― 憶測や印象は情報ではない ― と称して、そのままTV画面や紙面からたれ流してみても、受け取る側は不安になるばかりで、問題自体は解決されず、社会全体の結果は最悪になるのではないだろうか?




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