2021年2月7日日曜日

コロナ禍のもの憂き気分: これまた日本文化の実相かも

新型コロナも北海道のもの寂びた港町で暮らしていると喧騒は遠くなりいつもと変わらぬ平和な日曜日の午前である。

毎週の習慣でワイドショー2本を続けてみながら、こんな話をする。

カミさん: 森さん(=オリパラ委員長)の話ばっかりだネ、サンジャポも。

小生: 昔から失言の多い人だったからな・・・

カミさん: オリンピック、ホントにやるのかなあ?

小生: IOCがやると決めれば、日本は協力しましょうと言うしかないよ。

カミさん: 日本の方から「無理です」って言えないの?

小生: オリンピックが中止されたのは3回だけなんだけど、世界大戦以外で自分の都合で返上したのは1940年の東京だけなんだよ。IOCがやろうと言っているのに、今度また東京が辞退すれば、また東京か、ってことになるだろうなあ。とにかく恥ずかしいし、何を言ったとか、これを言ったとか、そんな次元じゃあない完璧な無責任だよ、それは。まああれだネ、もうこの先、二度と東京が開催都市に立候補することはないって割り切れば、出来るだろうけど、そんな覚悟はないんじゃない。IOCの方から「日本はどうします?」って聞いてくれるのをコッソリと期待するしかないんじゃない?

カミさん: 他人頼みかあ・・・

小生: ワクチンもこれからだし・・・

カミさん: ワクチン受けるの?

小生: おれは科学進歩を信頼しているから、当然、受けるよ。でも、まだ未承認なんだよね(笑)

カミさん: なんでも遅いヨネ、日本は。

小生: ワクチンも感染対策もみなそうさ。外国はワルツやコサック踊りのリズムで踊っている隣で、日本だけは能か日本舞踊の仕舞でユッタリと舞っている、そんな感じがするな(笑)。『高砂やあ〽 この浦船に帆を上げて〽』なんていうリズム感だからネエ、日本の中だけでみると、「美の極み」で、悠然、泰然、艶然ってことになるんだけど、外国と比べると単にノロいわけだな。

イギリスのジョンソン首相だって最初は「集団免疫」を目指しながら、国内から批判を浴び、自らもコロナに感染してしまったものだから、敢然と戦略変更して、その後の動きは誠に速い。マクロンのフランスもメルケルのドイツも思ったようには行っていない。ワクチン供給戦略では欧州は完全にしくじったようである。 それでも「政治不安」にはなっておらず、持ちこたえているようだ。

この「持ちこたえる」という感覚が日本ではいま一つ伝わってこない。予想外に早期のタイミングで「もう駄目だ」ということになっている。

太平洋戦争で犠牲となった日本の死者数は軍・民合計して300万人強である。数字は確かに巨大であるが、ドイツの侵略を受けたソ連の犠牲者は1800万人ないし2400万人と推計され、これはソ連の当時の人口比で14パーセントに相当する(Wikipedia)。戦争開始時の日本の総人口は概ね7千万人であったから、日本の人的損失比は4パーセント程度になる。誤差はあるだろうが、桁違いに小さいことは間違いないのではないか。言い方は悪いが、この水準でも「莫大な損害」と日本人は記憶しているのであって、もちろん「莫大な損害」であるのには違いないが、諸外国では10パーセントを上回るのが戦争被害の目安なのだから、これと比較すると、日本の損害は比較的軽微であったという実相が伝わってくるのだ。何だか今日の新型コロナ禍の中で「耐えられない」と口にする日本人的感覚に危機に弱い特有の過敏さをみるような思いがしたりする。よくいえば「繊細」なのだろうと思う。

ま、なぜこうなるのかは、また考えることにして、やはり日本は平和な島国で歴史の大半の時間を過ごしてきた。こういうことではないかと考えたりしている。




0 件のコメント: