2022年2月9日水曜日

ホンノ覚え書き: コロナ感染予後と「養生」に関して

新型コロナで最もタチが悪い点は、一つには無症状感染者がウイルスを放出していること、もう一つは予後の後遺症が長引くという点だろう。

小生は医療専門家ではないので無責任なことは書けないが、それでも同じ疑問がずっと解決されないままに残っているのは、心持が悪い。それをメモしておきたい。


下の愚息がまだ高校に在学中であった頃だが、家族で北京周辺を旅行したことがある。まだ胡錦濤政権であったはずで、中国という国をみる海外の目線も今よりはずっと暖かであった印象が残っている。北京に着いてからずっと通訳として同伴してくれた王 — 下の名を何といったか残念ながら忘れてしまったが ― さんの親切には今でも感謝している。確か洛陽の出身だと話されていたが、いまでも元気にしているのだろうか。

何日目だったか北京同仁堂に立ち寄って脈をとってもらい好適な漢方薬は何かを問うたことがある。そうしたところ、虚証で胃腸に難があるから『補中益気湯』が好いだろうと助言を得た。


画像出所:https://ameblo.jp/chai-tai/entry-12344741453.html


小生はその頃から胃腸が弱く、アレルギーが鼻炎や咽喉にとどまらず結膜炎にも広がり、それが鬱陶しくなっていたのだが、どんな健康状態であるかが脈だけで分かるのかと、ちょっと驚きであったのだ、な。

買って帰った「補中益気湯」をしばらく服用し続けたのだが、そのうち鼻炎には即効性のある「小青竜湯」、風邪かなと思えば「葛根湯」や「銀翹散」を頻用するようになり、体質改善を促す「補中益気湯」を飲むことはなくなっていった。が、我が家の常備薬セットを編成するうえで漢方薬を重要視するようになったのはこの時からである。それまでは風邪ならパブロン、くしゃみ・鼻水にはベンザ鼻炎カプセルを一貫して使っていた。

イソジンやプロポリスも良いことはよいが、それより抗ウイルス効果のある茶『板藍茶』を切らさないようになったのも、やはり北京同仁堂を訪れた後のことだ。以来、1年に2,3回は風邪で寝込んでいた小生だが、風邪からは完全に解放された。理屈はともかく効けばそれが良薬であるに違いない。インフルエンザ程度なら、わざわざ他の病気の院内感染リスクをおかしてタミフルやゾフルーザを医師に処方してもらわなくとも、「銀翹散」か、最近では「麻黄湯」で治す人も多いようだ。

そこで思いついたことを一言:

治ったあとのコロナ後遺症に『補中益気湯』を試してみては。 

 

もう2年間もコロナ禍をテーマに毎週、毎日テレビでは長い時間をかけてお喋りを続けて来ているが、その割には漢方薬と養生との現代的状況を一度としてとり上げたことはない。

試みに町中のドラッグストアをみてみればよい。何種類もの漢方薬が棚に並んでいる。多くの人の関心がそこに反映されている。

漢方薬は確定診断がなければ何も出来ない近代医学とは異なり、症状と体質に合わせて薬剤を組み合わせる考え方だ。Aという病名なら薬剤Xが効くという場合、Xの作用を純粋化して切れを上げるのが西洋的な思考だが、漢方医学は必ずしもこういう思考では投薬を決めないようだ。欧米は分からないが、日本人が感染予後を養生するには寧ろ漢方医学の発想は受け入れやすいのではないかと思われる。

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