2024年4月15日月曜日

ホンノ一言: 一致指数の急落から「景気悪化」を予想するのは無理ではないか

報道はあまりされなかったが、今月5日に内閣府から景気動向指数(2月分)が公表された。それによると、先行指数は(まあまあ)横ばいを続けているものの、生産・販売の現状を伝える一致指数が1月、2月と急落しているのが目立つ。

先行指数(le)と一致指数(co)を図にすると下図のようになっているので、ちょっと吃驚する。




実際、内閣府は今回の一致指数に基づき

景気動向指数(CI一致指数)は、下方への局面変化を示している

と判断している。

しかし、この判断はどうなのだろうナア、とやや疑いを感じる。あまりに機械的ではないですか、ということだ。


先行指数は2021年7月をピークとして低下してきたが、23年1月以降は横ばい基調を続けており、その動きに変化はない。寧ろ、足元の2月を含めて強含みである。


もし本年に入ってからの一致指数の変調が先行指数のピークアウトに伴うものだとすれば、2年もたってから先行指数の変化が一致指数に現れてきたことになる。しかし、先行指数の先行性はせいぜい半年ないし1年程度である。

直近で国内景気を話題にしたのは、多分この投稿だと思うが、そこでは

先行系列の悪化の動きは止まっている。横ばい基調が1年間続いている。

先行系列の横ばい基調は昨年12月まで変わっていない。ということは、この先の一層の景気悪化は考えにくい。そう予測するべきだろう。

こんな風にまとめている。


とすれば、2年も遅れて先行指数のピークアウトがいま一致指数にやってきたと判断するより、年明け以降の一致指数の急低下は一過的なものととらえるべきではないか。

実際、一致指数が急低下している背景は、耐久消費財出荷や鉱工業生産、輸出数量の急落である。これは、ダイハツの検査不正が発覚し、昨年12月に多数の車種の生産、出荷が停止に追い込まれたことが大きい。しかし、2月以降、次第に生産が再開されている。

なので、先行指数の動きをみても、この先も一致指数が悪化していくという可能性は小さいと(今は)みている。先行指数は悪化の兆しを見せていない。

 


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