2024年8月13日火曜日

覚え書き: 8月5日の株価大暴落は一体何だったのだろう?

 毎年、8月6日から18日までの期間を拙宅では「鎮魂週間」と勝手に呼んでいるのだが、その前日に東京市場で起きた株価大暴落を「8月のお化け」と呼び始めている由。もう「投げ売り」だったそうだ。

よっぽど怖かったんだネエ

分かります……。


少し落ち着いて来たいま、

何がきっかけだったんだ?

こんな疑問が意識されてきたらしく

アメリカじゃね?だって景気悪くなるんだろ?

という人が結構多いという。

マア、東京の大暴落の直前に確かニューヨークも下げていた記憶がある。

どうなんだろうね?

というところだ。


NYTに寄稿しているPaul Krugmanは、

今回の「8月のお化け」は東京が最初だ

そんな見方をとっている。



Of these, the S&P 500, which basically includes all large U.S. corporations, is where you’d most expect recession fears to manifest; after all, a recession would adversely affect corporate profits. And the S&P 500 did fall. But even that is confusing. You see, while expected profits have no doubt fallen, so have interest rates. And with other things being equal, lower interest rates should boost stock prices. The overall effect can go either way. So the decline in broad stock indexes is a bit of a puzzle.

Furthermore, if fears of a U.S. recession drove this stock slump, why did Japanese stocks fall so much more than stocks here? In fact, the global stock slump began in Japan, which is still a major economy — and one in which, thanks to time zones, markets are out of sync with markets in the United States.
Source: The New York Times
Date: Aug. 6, 2024, 1:58 p.m. ET
Author: Paul Krugman
URL: https://www.nytimes.com/2024/08/06/opinion/stock-market-crashes-economy.html

ウ~~ン、そうだったかナア・・・と、記憶を辿る人も多かろう。その前日のNYの下げ、更にその前の東京の下げ、更にその前のNYの下げ・・・。キリがないではござらぬか。実際、Krugmanも、何が株価暴落を引き起こしたかは分からないと、上の引用部分の前後で強調している。

翌6日には過去最大の反騰に転じたものの、先行き不安からか乱高下を繰り返す中、日銀の内田副総裁の発言:

日本銀行の内田真一副総裁は7日、株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行わず、当面は現行の金融緩和を維持するとの考えを示した。

7日になって流れたこの報道を受けて、やっと市場は安堵したのか、一週間たった足元では元の水準に戻りつつある。こうした進展をみると、やはり今回の騒動の主因はアメリカの景気後退懸念というより、日銀と市場とのコミュニケーション・ミスにあったのかもしれない。

Krugmanの寄稿の結論も
... there’s a lot of evidence that the economy is slowing down for reasons unrelated to the stock market. But the crazy market action of the past few days was probably sound and fury, signifying not much.
景気そのものは株価とは関係なく鈍化しつつある証拠がある。今回の株価暴落は、騒々しいだけで大した意味はない。こう結んでいる。


マ、例によって「大恐慌」到来の前兆などと語る専門家もいたようだが、「空騒ぎ」であった可能性が高い。

もちろん「大恐慌」が本当に到来する確率がゼロだと断言するつもりはない。しかし、その客観的確率をいまから正しく認識したうえでの大暴落であったなら、何も先行指標がない段階で一般投資家は素晴らしい予知能力を示したことになる。それは贔屓の引き倒しというものだ。

それより、アメリカ人は知らないエピソードだが、小生は源平が戦った富士川の合戦の際、夜になって水鳥が一斉に飛びたつ羽音に驚倒して京まで逃げ戻った平家の大軍を連想した。




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