2024年8月29日木曜日

ホンノ一言: カギはハリス候補をどう観るかなんだろうナア・・・という話し

 日本の民間TVで放送するワイドショーは「情報番組」とはいうものの、実際には「お天気」と「スポーツ」、それに「政局」や「犯罪」、「事故」、「災害」に関する情報が大半で、暮らしに役立つ情報はほとんど含まれていないのが現状だ。

ただ、アメリカの大統領選は勝敗予想を語れるゲームでもあるので、ロシア=ウクライナ戦争、イスラエル=ハマス紛争と同様、その筋にある専門家にとっては大いなる稼ぎ場になっている様だ。

確かに、今度の米・大統領選挙は

ト氏が勝てば実行力はあるだろうが制御不可能で西側陣営が崩壊しかねない。ハ氏が勝てば制御可能だがどの位まで有能かが分からない。

いわば「無謀なヒト」と「無能なヒト」とどちらがイイかという究極の悪魔の選択になりかねないというのが、今の世界の心配のコアだろうと思われる・・・

そんな状況で、新顔のハリス候補については、アメリカの経済学者も立場によって分かれているようだ。

Krugmanは、周知の民主党シンパであるから、基本的には好意的である。

 So what have we learned about Harris’s economics? She is, as expected, moderately center-left. And for those determined to view her as a communist — sorry, she isn’t.

Source: The New York Times

Date:  Aug. 19, 2024

Author: Paul Krugman

食料品に対する値上げ規制と来れば、誰もが1970年代にニクソン大統領が強行した所得政策(=価格規制)を思い出す。共和党の大統領がまるで共産党のような経済政策を始めたというので、世界はアッと驚いたものだ。案の定、ト大統領候補は『ハリスは共産主義者だ』と非難している。上のKrugmanの批評は中道左派に対する親和的な姿勢をにじませている。

これに対して、これも著名な経済学者であるGregory Mankiwのコメントが面白い。タイトルは"Kamala Harris...sigh"になっている。

確かなことは、Mankiwもまたト候補はダメだと判断している点だ―というか、ト候補の主張する関税の大幅引き上げに賛同する経済学者は(何か邪念を隠しているなら別だが)ゼロであるはずだ。

なので、以下のようなMankiwの所感は多数の共感を得るだろう。

I plan to vote for Kamala Harris. Why? Simply because she is not Donald Trump. In my judgment, Trump is (1) an authoritarian narcissist whose rhetoric is mean-spirited and untethered from reality and (2) an isolationist with wrong-headed views on trade and immigration and downright scary views on national security issues like NATO, Ukraine, and Taiwan.

But every time Harris says something specific about economic policy, she makes my voting for her more painful. For example: No taxes on tips, stricter rules against price gouging, expanded price controls on pharmaceuticals. 

Google翻訳で和訳を載せておくと:
私はカマラ・ハリスに投票するつもりです。なぜかって?単純に、彼女はドナルド・トランプではないからです。私の判断では、トランプは(1)意地悪で現実からかけ離れた発言をする権威主義的なナルシストであり、(2)貿易と移民について間違った見解を持ち、NATO、ウクライナ、台湾などの国家安全保障問題に関して実に恐ろしい見解を持つ孤立主義者です。

しかし、ハリスが経済政策について具体的なことを言うたびに、彼女に投票するのが苦痛になります。例えば、チップに課税しない、価格つり上げに対するより厳しい規則、医薬品の価格統制の拡大などです。

無料の機械翻訳でもかなり完璧に近い和文になる。少なくとも文章で伝えるジャーナリズム産業で「言語の壁」がコスト優位性を築く要素として機能しなくなってきたことが分かる。 


それにしても、
(ワタシ、経済のことは分からないんですけど、)これはやったほうがイイと思うんですヨネ。皆さん、望んでいるでしょ?エエッ、ここで約束しますとも!食料品やお薬の価格を勝手に値上げはさせません、と。
こんなハリス風な「女性政治家」が日本に登場したら、日本では支持されるだろうか?

試してみてもイイかもしれない。

日本の民主主義のレベルが自然と浮かび上がるような気がする。


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