毎年、8月6日の広島原爆記念日から8月15日の終戦記念日を経て8月18日の施餓鬼会までの10日余りを拙宅では「鎮魂週間」と呼んで暑さをしのいでいる ― 今夏の北海道は昨夏が嘘のような涼しさであるのが有難いところだが。
そんな「夏の盛り」を控えた本日、日経平均株価は▲4,451.28円という記録的暴落を演じた。「記録的」というより、1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円を超える過去最大の下落である。
その背景としては、日銀の(多少サプライズじみた)金利引き上げが急激な円高を招いた。ちょうど悪いタイミングでFRBの金利引き下げが示唆された。
そりゃあ、円高になりますワナ
ということだ。こういうとき、少し前なら《狼狽気味の市場心理を映して》と報道されていたのだが、いまは少し使用言語が変わって来たようだ。
NY市場では、アメリカのインテル・ショックという激震があった。7月の失業率が予想を超えて上がった。そうしたら日本の中央銀行が金利引き上げを断行(?)した。『景気後退だあ~っ』と、
みんなビックリしたんだろうネエ……
悪い知らせが重なった。それでNY市場が下がった。
円高になれば東京市場はそれだけで確実に下がる。円安は困ると言っていた人は、円高になっても困ることがわかったでしょう。
最近の円安で日本株はバーゲンセール状態だった。それが急激な円高だ。ドルベース価格は上がる。買いが細る。日本株は売っておくか、と。そう考える外国人がいても自然な反応だ。ただ、円高が進行すれば日本株のドル評価額は上がる。日本株は持っておいてもイイだろうに。(個人的には)そう思っております。
マネーゲームは、因が果となり果が因となり、という世界だ。現実を描写する経済モデルなど誰も持っていない。一体、コロナ禍の最中にコロナ後のインフレを正しく予想した人がどの位いたか?コロナ後のインフレが進む中、円安がこんなに進行すると誰が予想していたか?いま円ドルレートが160円から140円付近まで一挙に12パーセントも円高になると今年の正月に誰が予想したであろうか?
だからマネーゲームの「実況中継」をしながら実体経済が不況に向かっているのか、成長が加速されつつあるのか、それを判断するのは極めて難しいのだ。景気後退を予想するには予想できるだけの指標がいる。それについては先日も投稿した。
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インテル・ショックと聞けば2003年東京市場のソニーショックを思い起こさせる。
当時、ソニーは分不相応にエクセレント・カンパニーなどと称賛されていたが、虚像は何かのタイミングで霧の如く晴れて、実態が現われるものだ。
新たな企業が成長すればよいことである。
アメリカの失業率は確かに上がった。7月に4.3パーセントまで上がった。
景気過熱が収束すれば、景気後退を覚悟しろってことか?
円安は日本の国力が低下していることの表われなンです
円高に転じたのは、日本の国力が改めて見直されているということですネ。
いまの円高は、日米通貨当局の金利政策がもたらしているンですネ。いわばマネーゲームでして。ま、中期的には、日本の国力の停滞という背景がありますから、円安進行のトレンドにいずれは戻るはずです。
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