OECDのComposite Leading Indecatorをみても、既に中国、インド、ブラジルは景気後退が明瞭であり、欧州もピークアウトしていることが明らかだ。アメリカも今後どの程度まで沈むかという段階だが、アメリカはまだ第三次量的緩和(QE3)という手が残されている。そんな中の日本だが、確かに震災復興特需に期待できるとはいうものの、日本は世界景気に非常に敏感である。輸出入とも海外景気の落ち込みで低下し、運用先を求めて日本円に資金が集まるとさらなる円高もありうる。日本の生産活動も今後順調に拡大していくとは思えない。
2012年は<景気調整>で年が明けるだろう。
本日の日経をみると、ヨーロッパの景気後退は3つの政策ミスが招いたと記されている。
- 金融不安があるにもかかわらず、インフレを懸念したECBが7月に金利を引き上げた。
- 域内銀行の経営健全化の名のもとに、自己資本比率規制を強化した。これが貸し渋りをうむ。
- ギリシア危機への対応に手間取り、当局への信頼に傷がついたこと。
3は、EUという組織の限界が反映したものと考えられるが、1と2は何故にこんな判断をしてしまったのか?不思議である。経済学を勉強した人が欧州にはいないのか?思わず、そう言いたくなるくらいだ。ま、生身の人間の命を預かる医師と、メカニズムの理解が脆弱な経済学者の違いといえば、身も蓋もないが、2011年夏の判断ミスが<欧州の敗着>にならなければよいがと思うばかりだ。
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