英国が1月末でEUを離脱する。
日経では『英離脱、戦後秩序に幕』とヘッドラインを掲げている。さすがにこれは大げさだろう。
英国は第二次世界大戦後に仏独主導の「欧州経済共同体(EEC)」とは別に「欧州自由貿易連合(EFTA)」を結成して、欧州内主導権を争った。
その争いもEEC優位の下で決着がつき、英国は自らが主導したEFTAを脱退して「欧州共同体(EC)」に加盟する途を選んだ。英国の他に、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、ポルトガル、スイス、更にフィンランド(準加盟後に加盟)、アイスランドがEFTAに加盟していたが、英国はEUへと舵を切り直したわけである。戦後経済秩序が崩壊し国際通貨制度が固定相場制から変動相場制へ移行した1973年の年初の事であった。
英国のEFTA離脱と歩調を合わせデンマークも離脱、その後ポルトガル、スウェーデン、フィンランド、オーストリアがEFTAからEUに移った。EFTAには後になって加盟したリヒテンシュタインと併せて、現在はノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインがEFTAに属している。ノルウェーはEUに加盟していないことで知られているが、EFTAの創立メンバーであり、かつ現在も所属している国である。
BREXIT、即ち英国のEU離脱をもって『戦後秩序に幕』と呼ぶのは、ちょっと本筋から外れているのではないかと感じた次第。一度結成された団結が瓦解に向かい始めたというものでもない。実際はもっと複雑である。
0 件のコメント:
コメントを投稿