2020年7月10日金曜日

追々メモ:ドビュッシーとモーツアルトの雪のテーマ

前稿ではドビュッシーがもう一人の天才だと。小生の勝手な感想を書いたが、そう聴くことが出来るようになったとき、小生はもう非常に若くはなかった。母の弟であった叔父は、まだ小生が中学校か高校の時にドビュッシーが好きだと話していたことだけを記憶している。名前くらいは知っていたので、何かの折に、おそらくは音楽の授業でドビュッシーの『子供の領分』を聴かされた時ではないかと見当はつけているが、「変な音楽だネエ」とただただ思ったことは覚えている。

小生の感性が年齢相応にもう少し洗練されていれば、「ゲン叔父」の好みに共感して面白い話が出来たのにと・・・。まあ、何でもそうだが「後悔先に立たず」、好機には後ろ髪ははえていないのだ。その「ゲン叔父」も、四国松山に「高砂」よろしく夫婦二人で長生きして暮らしている。南町2丁目にあった祖父母の旧居はもう取り壊されたが、そこには「ゲン叔父」の娘夫婦が新しく家を建てて暮らしている。

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『子供の領分』の第4曲『雪は踊っている』は、雪の情景を想わせる楽曲としては最も美しい。そう、第4曲だけは別なのである。

そう思ってきたが、モーツアルトのピアノ協奏曲を全曲聴きこんでいるうちに、その17番第2楽章もやはり晩秋の初雪から降り積もる雪の心象をこの上なく美しく表現しているように感じられて、その点では『子供の領分』に勝るとも劣らない。

これは小生にとってはつい最近の価値ある発見の一つになった。

実際、モーツアルトのピアノ協奏曲でLP盤を買うのなら、普通は20番以降の傑作を買うのが常識で、外に買い求めるなら交響曲やオペラ、『レクイエム』あたりを購入するのがお金の賢い使い方だった。LP盤は結構高額な贅沢品だったのだ。なので、17番は最近まで聴き洩らしていた。


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