そんな見通しもあるのか、ネットには既に五輪出場者、観衆にPCR検査を実施する場合の予算規模が投稿され始めている。
さらに、都や組織委が想定している大会関係者(選手、連盟委員、メディア、スポンサー関連など)とボランティアの人数はオリパラ合わせて35万人。選手分の検査費用を差し引いても、ざっと67億円かかる。2018年に五輪組織委が想定した観客予定数は1010万人。組織委はいまだに観客の間引きには消極的で、全員を動員した場合、PCR検査の費用だけでなんと2020億円もの資金が必要になる。五輪延期の追加費用は3000億円規模といわれているが、これではカネがいくらあっても足りない。検査態勢が整うはずもないだろう。
五輪のPCR検査代に多額の血税が使われることに納得する国民が、いったい何人いるというのか。
出所:日刊ゲンダイDIGITAL、2020年7月25日9時26分配信
PCR検査を公衆衛生ではなく五輪関係費に計上する感覚には大いに疑問を感じるが、まあ、この程度の金額にはなるだろうと思う。
要するに、「オモテナシ」をするつもりであったが、状況が変わったので「オコトワリ」したいという主旨で、これまた日本国内の世論の一部なのだろう。
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ただ、PCR検査は、現在でも米NY州では毎日7万件のペースで行われている。24時間対応で希望者全員に無料である。感染状況をみれば、このペースがあと1年間は続く可能性が高い。とすれば、NY州1州で年間2555万件分の財政措置となる。中国は、1日370余万件の検査能力を整備している。
オ・モ・テ・ナ・シの予定を気が変わってオ・コ・ト・ワ・リにしても世論がそうなら仕方がないが、テーゲーなところで「そろそろ限界です」とあきらめて、あとは一切謝絶するというのも、いったん立候補した開催国としてはいかにも誠実味がなくて、器が小さい話だ。
検査効率化、低コスト化、自動化を叫ぶなら理屈が通るが、GDP第3位の「経済大国」日本が、それもロクに検査もしないうちから、今から敗北主義に立って『検査費がかかりすぎるンですヨネ』と泣きを入れるとすれば、その弱虫振りはやはり恥ずかしいネエ。
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それにしても、もしも東京五輪が中止となれば、日中戦争激化を理由に日本政府の方から開催を返上した1940年東京五輪以来、二度目の中止となる。1勝2敗だ。東京は相性が悪い。もう二度と五輪には立候補しない方がいいかもしれない、・・と思う人は少なからずいるかもしれない。
ちなみに加筆すると、東京が開催を返上したので次点のヘルシンキで開催されることに決まった。ところが欧州の第二次大戦は1939年9月1日のドイツによるポーランド侵攻から始まった。そのためヘルシンキ五輪も中止となる。そしてヘルシンキは戦後になってから48年のロンドンの後にはなったが、52年の開催都市になった。
東京は五輪とは相性が良くないことは事実のようだが、それでも開催都市として誠意を尽くし、近代五輪運動への協力を惜しまなければ、新型コロナ終息後の早い時期に東京五輪が実現することは期待してもよいのではないか、と。そう思われるのだな。
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