2020年11月10日火曜日

ホンノ一言: 茶番のやりとり、茶番の報道

 こんな報道があったのには、小生、失笑してしまった。

 菅義偉首相は10日の衆院本会議で、日本学術会議の会員任命拒否問題を巡り、学術会議と政府の間で2017年に行われた人事の事前調整は適法との考えを強調した。

出所: Yahoo!Japanニュース、11月19:10配信

元ニュース: 共同通信

報道が・・・ということではない。内容である。総理大臣が国会で「学術会議の人事の事前調整は適法」と答弁したことを、ご丁寧に「ニュース」だと言って報道していることが可笑しかったのだ。

これは当たり前である。ニュースには値しない。渋谷の犬がワンと吠えてもニュースじゃあない。犬がカア、カアと吠えて初めてニュースになる。

この任命案を首相にあげた事務方の官房副長官を国会に招致せよと野党は主張している。であれば、事前調整が適法であると判断した(はずの)内閣法制局長官も国会招致を求めるのが筋だ。法制局長官に「適法と考えているのか?」と聞けばいい。「適法でございます」と回答されるのは確実だから、その次の質問をどうするかがカギになる。

つまり茶番である。質問も低レベル。報道も低レベル。本質を避けて時間つぶしをしている。

こんなところにも、時間つぶしにも似た「低生産性サービス業」の実態がうかがわれる。まさに象徴的だ。日本経済の全要素生産性(TFP)上昇率が低迷しているのもムベなるかな、である。


こんなことをしている間に、任命拒否にあった6名の学者が週刊誌ネタにされそうな勢いだ。日本社会の既存組織では、内部経済がプラス方向に成長しないので、外部不経済のマイナスばかりが目立ってきている。暮らしづらくなるわけだ。


それにしても、本当に政治と関係をもつとロクなことはない。その「イイ見本」になってきた。

菅首相は「政治で国は動いている」と感じ政治家になったと聞いたことがある。もしそうなら、国会審議で国が動いているわけではない。これもまた確かなことだ。あれは「政治」の現場ではない。時間をかけて視聴しても意味はほとんどあるまい ― ま、こんなことは周知の事実であるのだろうが。

0 件のコメント: