経済学の基本原理に限界効用均等の法則、限界生産力均等の法則がある。入場料が2000円の映画と2000円の展覧会があれば、両方同じ程度の満足を感じないと割が合わないと思うものだし、1万円のセーターは5千円のセータよりも満足度は2倍あって当たり前だと考えるだろう。価格に比例した満足を期待するものだし、企業であれば生産物の生産に貢献してくれないと困る。故に、高くなったものは割が合わなくなって使わなくなり、安いものを使う。単純なロジックだ。
節約しても電力を使わないわけにはいかない。だからコストが増える。エネルギーコストが高い割合を占める商品は、省エネルギー型商品に比べて高くなる。今のままではエネルギー多消費型商品が売れなくなるのは必然だ。
もうひとつ、価格ばかりではなく顧客価値。使い道が確認され、顧客評価が上がった商品は価格が上がっても売上は伸びる。
では具体的に何が伸びてくるだろう。現時点で以下の商品は市場拡大が確実:
- 太陽光発電設備、その他の自家発電設備、家庭用蓄電池
大本命だ。太陽光だと初期に200万円程度、蓄電池なら100万円程度か。出荷数量が増えれば単価は下がるだろう。それがまた購入を刺激する。今年に限らず需要は拡大するはずだ。スマートグリッドと併せて要マーク。地熱発電事業も地方では有望だ。このことが電力事業自由化へのステップにもなってしまう。送電市場への新規参入をどのように認めるかどうか。これが最大の鍵だが、はっきりと言えることは遠隔地で発電した電力を大都市圏で一社が独占的に販売するビジネスモデルは地元感情を考えれば既に死に体である。
- ロボット
アメリカからロボットが移送され建屋内放射能を測定したという報道をみて悔しい思いをした人は多いのではないだろうか?介護用ロボット、愛玩用ロボットなど、なぜ日本市場でロボット市場が立ち上がらないのか不思議に思ってきた。
- FacebookなどのSNS
今回は通信経路としてインターネットの頑健性が証明された。避難先で連絡が取れなくなった隣人、知人、学友が多数に上るという。最近のチュニジア、エジプトの事情を見るまでもなく、本名ベースのネット上バーチャル空間が日本でも本格的に浸透していくと思う。
- Eラーニング
フリーの遠隔授業を含むバーチャル・ユニバーシティ。正しい知識に飢えている社会で、YouTubeを超える知識伝達の場が強く求められていると思う。既にiPodベースのPodcastでは著名な大学の授業録画などが部分的に提供されている。しかし、実際の授業を単に録画しただけでは不十分だ。声と画像、動画をシンクロして編集する必要があり、本当は極めて労働集約的な製品である。これをフリーで提供するとなると、多人数の参加、確固としたメディアビジネスという条件を満たすGoogleやYahoo、Microsoft等でなければ展開できない。おそらくGoogleが電子ライブラリーの次のステップで<無料の>知の体系化に乗り出してくるのではないだろうか。これは既存の学校にとって競合相手になる。本来、知識は公共財産であり利用者にはフリーであるべきだ。ストールマンの理想を実現させる方向へ歴史の力が働いているかもしれない。
新技術は社会を変えると言われる。インターネットは社会を変えてきたが、インターネットはICT技術の一つの応用例に過ぎない。バイオ技術などは上には含まれていない。あるに違いない。考えてみよう。
では衰退する商品は何か?
エネルギー投入比率が高い商品をリストアップするのが第1歩。
産業連関表の本表をみれば細かいレベルでピックアップできる。延長表はどの程度まで提供しているだろうか?
(その2に続く)
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