2022年3月2日水曜日

ホンノ一言: 「ウクライナ戦争」・・・行司役に誰がなれるか

株式投資畑では今回のウクライナ事変で一人勝ちするのはアメリカであるとする向きもあるようだが、ひょっとすると総合的勝者は中国であったりする可能性も残っている。

最初からこの線があるのではないかという憶測、というか期待もあったようだが、今日あたりこんな情報も出て来ている:

 【北京時事】中国外務省によると、王毅国務委員兼外相は1日、ウクライナのクレバ外相と電話会談し、出国を始めた中国人の安全確保を要請した。

クレバ氏は「停戦実現のため中国の仲裁を期待する」と述べた。

 中国メディアによれば、1日、ウクライナ東部から西部リビウに向かっていた中国人の腰に弾が当たり、負傷して病院に搬送された。手荷物が軍事物資と誤認された可能性があるという。何者が発砲したのかは不明。

URL: https://news.yahoo.co.jp/articles/3093806d0d28fef0fd97c92ec653d66a9f551998

Source:Yahoo!ニュース、3/1(火) 23:37配信

Original:JIJI.COM

ロシア中枢の意思決定に影響を及ぼしうるとすれば、中国トップの意向の他には何一つないのが現状だろう。

EUもNATOもロシアとの対決を覚悟してまで深入りする意志は最初からない。アメリカはそんなヨーロッパの姿勢を釈明材料に使っている。ロシア国内の世論に期待するのは無策の証明だ。ゼレンスキー大統領は自らの不注意のツケを払えないので他人を巻き込もうとしている。EU即時加盟への希望に冷水を浴びせられたいまの段階で中国に仲裁を依頼する報道が出てくるのはウクライナに一貫した理念がないからであろう。

仮に中国の努力で停戦に持っていければ、世界平和維持の第一の功労者は中国政府ということになる。ウクライナのゼレンスキー大統領は、これまでの態度を一変させ、ヨーロッパとアメリカの「不実」をクソミソになじり、中国の「誠意」を褒めたたえる事だろう。NATO加盟断念の代わりに中国が立会人になってロシア、ウクライナ両国を安心させる可能性すらある。

但し、中国への期待はウクライナ外相の意志でゼレンスキー大統領自身の意思とは違うのかもしれない。とすれば、ウクライナ政府内も割れているのかもしれない。ロシアよりの姿勢を示してきた中国に対してウクライナ国民の感情が悪化しているとも伝え聞く。

ここ近年の国際情勢と同じく、やはり今回も中国がキーである模様だ。パワーがあるというのはこういうことだろう。

日本国内の「悩みを深める中国」という報道ぶりは一面的に過ぎる。物事には全て表と裏がある。有利と思えば実は不利、不利と思えば有利に転じるのが浮世の道理だ。固定観念は害がある。

日本の大手メディアの品質は低い。メディアの主観的ストーリーに客観的情報をはめ込んで解説をしているようだ。偏ったイメージで洗脳されるのが心配だ。中国に空母「遼寧」を売ったウクライナに20億円を寄付する日本人の好意はどこか不思議である。メディアが先にこれを伝えないからかもしれない。


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